NEWS

”3Dプリント人形を制作したコンセプトや目的”

日本では阿波人形浄瑠璃をはじめ人形業界は活気に溢れていた昔に比べ、現在はデコ細工師や人形師、農村舞台は減り続けています。
そのため主に子供達が人形浄瑠璃という日本の文化に触れる機会が減っています。浄瑠璃人形のクリエイティブはとても素晴らしい文化です。
私は職人やその方々が持つ技術や文化に対して尊敬していますし、継承されていくべきと考えています。継承されていくには需要がなければ途絶えてしまいます。
しかし人形浄瑠璃のカシラはとても高価で、特に子供が気軽に触れるものではありませんでした。
その状況に対して、3Dモデラーである私ができることは3D技術で人形の複製を作ることでした。
「触れて体感できる文化財」というコンセプトのもと、3Dプリントした人形であれば様々な体験が可能となり、子供だけでなく様々な年齢に深くアプローチし理解できるようになると考え制作しました。
3Dプリント人形というデジタルな入り口から、 本物のデコ細工師の深遠な職人の世界に興味を持って貰うことが狙いです。

私の人形作りの先生である甘利洋一郎氏と対話を重ねプロジェクトを進めていく中で、3Dプリントの複製が簡単にできる特性によって職人たちの仕事が奪われるのではないかという話もありました。このプロジェクトではその複製できてしまうという特性を逆手にとり、阿波デコ組み立てキットを販売し、その利益の一部を提供して頂いた業界に還元することで、阿波人形浄瑠璃の保存や継承に役立てて頂けたらとという発想に転換しました。
また3Dプリント人形はデコ細工師の仕事を奪うものではなく、職人の本物の仕事を周知するためという目的のために作っており、そういった形で人形業界に還元出来たらという思いを甘利氏に伝え、氏監修のもと3Dプリントの人形を作り上げました。
その趣旨を理解して頂いた上で、この3Dプリント人形を扱って頂けたら嬉しい限りです。